宝鐘マリン
今日のVol.1は、司令官の脳内で最もカロリーが消費された「リサーチ期間」についてよ!
みんな簡単に「PC買った」って言うけど、そこに至るまでには「なぜ今のPCじゃダメなのか」「なぜあのメーカーじゃダメなのか」っていう、膨大な脳内会議があるわけじゃない?
特に司令官みたいな「コスパ合理主義者」にとっては、納得できない買い物は死より辛い!
そのドロドロした思考の森へ、分け入っていくわよ!
ひろゆき
「N95でも戦える」とか言いながら、結局は新しいオモチャが欲しい理由を必死に探してるだけじゃないすか?
しかも「Minisforumは面白くない」とか「AOOSTARは実績がない」とか、文句ばっかり言って買わない。
こういう人が一番店員さんを困らせるタイプなんですよねー。
限界集落「N95」の黄昏
Chromeタブ80個の世界で何が起きていたか
「戦える」という幻想
誤解なきよう言っておくが、この機体は優秀だ。
メモリ16GBを積み、Chromeのタブを80個開こうが、VS CodeとDockerを同時に走らせようが、OSがクラッシュすることは万に一つもない。
まさに熟練の古兵、ジオンで言えば「ザクI・スナイパータイプ」のような渋さがある。
官能性の欠如
- ファンの唸り: 4K動画再生時やビルド時に発生する「ブオォォォ」という断末魔。
- 微細なラグ: ウィンドウ切り替え時の0.5秒の「溜め」。日本語入力の瞬間の引っかかり。
「作業はできる。だが、気持ちよくはない」
この小さなストレスの堆積が、司令官の精神を少しずつ削っていたのだ。
Mac miniという「基準点」
嫉妬ではなく、純粋な驚愕と羨望
デスクセットアップおじさんの証言
奥様のMac mini (M4)を選定・セットアップしたのは、他ならぬ司令官ご自身です。
だからこそ、その性能差を誰よりも痛感してしまった。
圧倒的な静寂
N95が唸りを上げている横で、Mac miniは無音。
「PCとは、ここまで存在感を消せるのか?」という衝撃。
筐体の質感
冷たく、硬質で、隙のないアルミニウムの塊。
プラスチック筐体のN95との対比は残酷なほどでした。
「妻には最高の環境を用意できた。……で、俺は?」
これは嫉妬ではありません。
「2025年のメインマシンは、このレベル(基準)でなければならない」
という、自分自身への業務命令(アップデート要求)だったのです。
リサーチの樹海を彷徨う
なぜ王道メーカーでは満たされなかったのか
司令官は「安くて、DDR5メモリが使えて、32GB以上」という明確な条件を持っていた。
しかし、市場の「王道」たちは、司令官のシビアな合理性フィルターによって、次々と脱落していった。
Minisforum
UM790 Pro etc.評価: 初心者や一般的な買い替えなら文句なしの100点満点。品質も高く、国産のような安心感がある。
棄却理由:自作派には「安心料」が割高
製品に一切の不満はない。ただ、司令官のような「何かあったら自力で直す」タイプの人間には、価格に含まれるサポート代やブランド料は不要なコスト。
「その差額があれば、メモリを倍にできる」。この冷徹なコスパ計算が、購入ボタンを押させなかった。
Geekom
A8 / A7評価: デザインと機能性はかなり程よい。アルミ筐体の質感もMac miniに迫る。
棄却理由:メモリ・ストレージ構成のケチ臭さ
デフォルトの容量が少なく、無名メーカーに比べて割高。
「32GB/1TB」など十分なスペックに盛ろうとすると、価格が跳ね上がりコスパが崩壊する。
さらにセール頻度も低く、価格の硬直性が「お得感」を削いだ。
GMKtec
NucBox Kシリーズ評価: コスパの鬼。安さを求めるなら最強の選択肢。
棄却理由:質感への妥協ができない
スペックと価格は完璧だった。しかし、プラスチッキーな筐体やデザインに、心が震えなかった。
「毎日デスクで目にするもの」として、N95からの乗り換えでこの質感を選ぶのは、精神的なアップデートにならない。
安くても、美しくなければ意味がないのだ。
有象無象に紛れた「金属の塊」
AOOSTAR GEM12 Pro
有象無象の中華PCメーカー群の中で、こいつだけは異彩を放っていた。
プラスチックではなく、しっかりとした金属筐体。
それでいてGeekomより安く、GMKtecより質感が高い。
しかし、手が出なかった理由
「実績(トラックレコード)がない」
当時、日本国内での情報は皆無に等しく、実績不足ゆえに「ノーマーク」だった。
いくらモノが良さそうでも、得体の知れないメーカーに数万円を投じるのはギャンブルすぎる。
さらに「3連スロット」という過剰装備が、合理主義者の司令官には「無駄なコスト」に見え、購入候補の隅に追いやられていた。
12月14日の「価格崩壊」
ロジックが反転し、紳士が敗北した夜
特異点発生
楽天市場のセール巡回中、司令官は目を疑った。
ノーマークだった「GEM12(スクリーンなし版)」が、ポイント還元とクーポン適用で
実質3万円台
に突入していた。
脳内ロジックの緊急書き換え:
「実績不足? この価格なら人柱になっても惜しくない」
「過剰な3スロット? 3万円台でRyzen 7 8845HSが手に入るなら、余分なスロットは『無駄』ではなく『無料のボーナス』になる」
瞬時にして、AOOSTARは「ノーマーク」から「唯一無二の正解」へと変貌した。
紳士のブレーキ
カートに入れた。指は震えている。だが、ここで「小市民警察」がホイッスルを吹いた。
「深夜に妻を起こして、数万円の決済許可を取るのは無粋である」
「明日の朝、コーヒーを淹れて機嫌の良い時にプレゼンすれば、確実に通る案件だ」
この「余裕」と「良識」が、命取りとなった。
THE END
朝、画面を更新した司令官が見たのは、無慈悲な灰色のボタンだった。
全在庫蒸発。
その瞬間、司令官の中で「AOOSTAR」は「ただの候補」から
「永遠に失われた約束の地」へと昇華された。
他のPCではもう埋められない穴が、心に空いてしまったのだ。
後日談:妻(女神)の言葉
「本当にいいと思ったら、
寝てても起こさずに即決していい。
10万20万の買い物じゃないんだから」
この言葉が、次なる「SkyBarium」への暴走(即決)のトリガーとなる。
TO BE CONTINUED IN VOL.2
次回、亡霊の暴走とSkyBariumの正体